BALÁZS映像研究会 Vol.4

BALÁZS映像研究会 Vol.4
『 波多野哲朗、1960年代を語る 』
 60年代はあらゆる芸術のジャンルにおいて新しい表現が求められた前衛の時代であった。その重要な拠点となったのが草月アートセンターで、第一線で活躍している芸術家が集まって次々と作品を発表した。映画にも熱心で多くの特集上映が行われたが、商業映画だけでなく自主制作の映画にも力を注いでいる。60年代後半にアンダーグラウンド映画が流行するきっかけをつくったのも草月アートセンターであった。波多野哲朗氏は、先鋭的な映画を発表していた勅使河原宏のもとで製作助手や助監督をするかたわら草月アートセンターの企画の仕事に携わっており、当時の状況に身近に接している。草月を離れたあとは、映画雑誌『シネマ69』を発行するなど映画批評の最前線にいた。実際に現場にいた立場から波多野氏に話を聞くことで、映画にとっても激動の時代であった60年代がどのようなものであったかを改めて考えてみたい。(西村智弘

【参考上映】
 奥村昭夫『猶予、あるいは影を撫でる男』(1967)※「第一回草月実験映画祭」グランプリ作品
 原正孝(将人)『おかしさに彩られた悲しみのバラード』(1968)※「フィルムアートフェスティバル'68」グランプリ作品

日時:2010年11月13日(土曜日) 14:00-17:00

会場:阿佐ヶ谷美術専門学校 422教室
(〒166-0011 東京都杉並区梅里1-3-3 tel.03-3313-8655)
*最寄駅;丸ノ内線新高円寺駅南口下車 徒歩4分

ゲスト:波多野哲朗(映画評論家、映画作家
司会:西村智弘(美術・映像評論家)

会費(資料代):500円

*波多野哲朗・略歴
 60年代初頭から勅使河原宏のもとで映画制作に従事しつつ草月アートセンターの仕事に関わる。草月を離れた1969年に山根貞男、手島修三と映画雑誌『シネマ69』を創刊(71年まで刊行)。この時期の他の仕事に、シェルドン・レナンの『アンダーグラウンド映画』の翻訳、戦後の代表的な映画批評を6巻に収めた『戦後日本映画理論体系』の編集などがある。2007年には7年越しの長編ドキュメンタリー映画サルサとチャンプルー』を完成させた。日本大学芸術学部大学院講師、東京造形大学名誉教授。

企画:BALÁZS映像研究会